この講座の最後に、知識のまとめではなく、 どうしてもお伝えしたい一つの話があります。
それは、占いの結果をどう受け取るかではなく、 その結果を受け取ったあと、あなたがどう生きるかという話です。
最近といっても少し前になりますが、私は 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」という映画を見ました。
私は東野圭吾さんの小説が大好きです。 たくさんのエピソードが、時間も場所も超えて同時進行し、 最後に一つにつながっていく―― あの「そう来るのか」と思わされる爽快感は、本当にたまりません。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」も、その印象が強く残った作品の一つです。 ここで映画全体の話をしてしまうと焦点がぼけてしまいますので、 私が特に大切だと感じた場面だけを少しご紹介します。
もしまだご覧になっていない方がおられたら、 ぜひ一度、映画でも原作でも触れてみてください。
物語の中で、2010年代を生きる若者たちが、 1980年の冬を生きる「迷える子犬」と名乗る若い女性から、 時代を超えた悩み相談を受ける場面があります。
その女性は、貧困から抜け出すために、ある危うい選択をしようとしていました。 それに対して若者たちは、葛藤しながらも、 未来を知っている立場から、ひとつの手紙を書きます。
その手紙には、愛人になるような道を選んではいけないこと、 地道に働き、経済を学び、時代の流れを読みながら資産を築いていくこと、 そして時代の転換点では、きちんと引くべき場面で引くことが書かれていました。
1980年を生きる迷える子犬さんにとって、それは理解しがたい内容だったはずです。 けれど彼女は、その手紙を信じ、行動しました。 その結果、彼女は貧困から抜け出し、大きな財を築いていきます。
映画の終盤で、若者はこうした思いを語ります。
「僕が書いた手紙で、その人が良き人生を選択できることはないと思います。 ただ、その人に幸せになってほしかった。 もし僕を信じて幸せになれているのなら、その人に伝えたい。 あなたが今見えている景色は、あなたが選びつかんだものなのだと。」
私はこの言葉に、とても深く心を動かされました。
なぜなら、これはそのまま、 気学や占術に触れる人すべてに向けた言葉のように思えたからです。
気学という占術に触れ、少しでも未来をより良くしたい、 夢をかなえたい、失敗を避けたい、人生を開拓したい―― そう思ってこの講座をここまで読んでくださったあなたは、 まさに、あの冬の道を歩きながら手紙を読んでいた 「迷える子犬さん」そのものではないでしょうか。
占術の結果は、ときに戸惑わせます。 良い結果が出ることもある。 重たい結果が出ることもある。 けれど、その結果をどう扱うかは、すべてあなたの自由です。
占術は、あなたの人生を勝手に決めるものではありません。 それは、未来の可能性をのぞき込み、 今より少し良い選択をするための「材料」です。
つまり、占術によって得られた結果は、 すべてあなたのものです。
第2章から第6章までは、かなり基礎的で、教科書的な内容が続きました。 それは、これから先に私が少しずつ積み上げていく より実践的な講座のための「参照ページ」として必要だったからです。
けれど、本当に伝えたいことは、その先にあります。
そういう、もっと実際の人生に寄り添う内容を、 これから少しずつ書き加えていきたいと考えています。
この講座の基礎編は、そのための土台です。 そして、ここまで読み進めてくださったあなたには、 その土台の上に、必ずご自分の人生の実践を積み上げていってほしいのです。
占術により得られた結果は、すべてあなたのものです。 それをどのように活用しようと、 どのように受け止めようと、 そしてどのように行動しようと、 それはすべて、あなた自身の自由な選択です。
あなたが選びつかんだ景色を、いつか見せていただけませんか。
フランキンセンスが、そのための小さな手紙のような存在になれたなら、 これほど嬉しいことはありません。